クレカを作ると使いすぎが心配、クレジットカードの審査が通らないなどの理由で、モバイルSuicaをデビットカードで使いたいという人もいるでしょう。
物理カードはチャージが面倒なので、そのような場合はデビットカードを使ってスマホでチャージできたらラクですよね。
ただしデビットカードにはモバイルSuicaの決済手段として登録できるデビットカードとそうでないものがあります。
そこでこのページではモバイルSuicaをデビットカードで利用する方法について解説します。
モバイルSuicaは登録できるデビットカードと登録できないものがある
デビットカードには2つの種類があります。そのうち1つはモバイルSuicaに登録でき、もう1つは登録できません。まずこの点から理解しましょう。
デビットカードは「J-Debit」と「ブランドデビット」の2種類
デビットカードを利用していても、デビットカードに2つの種類があることを知っている人は意外と少ないのではないでしょうか。
その2つとは以下のとおりです。
- J-Debit
- ブランドデビットカード
J-Debitについてはおそらくこのページを読んでいる方ならほぼ全員が持っています。なぜならJ-Debitとは銀行のキャッシュカードをそのままデビットカードとして利用できるサービスのことだからです。
J-Debitの加盟店で買物をして支払いをJ-Debitでしたいと店員さんに告げるとデビットカードでの決済となり、即時に銀行口座から引き落とされます。
ブランドデビットとは「Visaデビット」や「JCBデビット」といった、クレカの国際ブランドの名称がついたデビットカードです。
ブランドデビットカードのメリットは、これらのクレカが使えるお店ならどこでも利用できるということです。おそらくデビットカードを実際に使っている方の多くがブランドデビットカードでしょう。
J-Debitは使えるお店が少ないというのが大きなデメリットなのですが、ブランドデビットカードなら利用できるお店が多いので、こちらのほうが普及しているのが現状です。
モバイルSuicaの決済手段としてJ-Debitは登録できない
モバイルSuicaの決済手段としてデビットカードが登録できない理由は、その手順を見るとわかります。
モバイルSuicaのトップページで「チケット購入 Suica管理」をタップし、

「登録クレジットカード情報変更」をタップすると情報入力画面に変わります。

この画面では、クレカのカード番号と有効期限を入力する必要があります。

J-Debitのカードはすでに説明したとおり銀行のキャッシュカードですが、キャッシュカードには16桁の番号や有効期限がありません。そのため、情報を入力できないので登録できないことがすぐわかります。
ブランドデビットカードなら登録できる
ブランドデビットカードならクレジットカードと同じように16桁の番号と有効期限がカードに記載されています。そのため登録できそうに見えます。
でも以下のとおり公式サイトには「ブランドデビットカードは登録できません」とはっきり書かれています。

これは公式サイトの説明が紛らわしく誤解を招く記述です。「海外で発行された」の部分が「カード」だけでなく「ブランドデビットカード・プリペイドカード」にもかかっているのでしょう。
実際にやってみました。以下のカードは住信SBIネット銀行のデビットカードです。ネットから簡単に申し込めます。

実に何の問題もなく登録できました。もちろんチャージもできています。

ブランドデビットカードならすべて登録できるかどうかは不明ですが、住信SBIネット銀行のデビットカードで試した限りはまったく問題ありませんでした。
公式サイト:モバイルSuicaをはじめる|JR東日本
「みずほWallet(for iOS)」を使うという手段もある

みずほ銀行がリリースした「みずほWallet」アプリを使えば、モバイルSuicaにデビットカードを登録して使うのと同じイメージで利用できます。「みずほWallet」で発行されるSuicaを「Mizuho Suica」といいます。
年会費やチャージ手数料などすべて無料で、口座情報を登録するだけですぐに利用ができます。これなら銀行はみずほ銀行に限られますが、モバイルSuicaと機能的に同じです。
ただし、記事執筆時点でSuicaとして利用できるのはiPhone用アプリのみです。また決済のときに認証を求められるので、実際に使ってみると自動改札の通過のときにやや支障があります。
みずほWallet for AndroidでもQUICPay加盟店なら店頭での決済ができるので、それだけでも利用価値はあるでしょう。現時点でSuicaとしては利用できませんが、こちらも検討してみる余地があるのではないでしょうか。
公式サイト:みずほWalletアプリ|みずほ銀行
モバイルSuicaをクレカで使うなら「ビュー・スイカカード」がおすすめ
モバイルSuicaの決済手段としてクレジットカードを利用することも考えているなら、JR東日本が発行しているビュー・スイカカードがおすすめです。
ビュー・スイカカードはモバイルSuicaにて唯一、オートチャージができるクレジットカードです。登録だけなら他のクレカでもできますがオートチャージの設定はできません。
また、チャージするだけでポイントがたまります。1000円につき0.5ポイント(0.5円相当)が基本ですが、Suicaにチャージをする場合はポイントが3倍になるので還元率は1.5%となります。
1.5%はクレジットカードの中ではトップクラスの高還元率なので、そういう意味でもビュー・スイカカードはおすすめです。ただしチャージをしない通常の決済はあくまで還元率が0.5%なので、できれば他のカードと使い分けるほうが良いでしょう。
なおビックカメラSuicaカードなら通常決済でも還元率は1%なので、ビックカメラを利用する機会がなくてもビックカメラSuicaカードを利用するという選択もできます。
関連記事:ビュー・スイカカードはおすすめ出来る?メリットとデメリットまとめ
関連記事:最大11.5%のポイント・ビックカメラSuicaカードはおすすめできる? メリットとデメリットを検証
まとめ
PayPayやLINE Payといったコード決済アプリが多数リリースされたこともあり、デビットカードを使用する人は減っていくことが予想されます。
そのため今後、デビットカードがモバイルSuicaで利用できるようになるのはそれほど期待できないかもしれません。
しかしコード決済が普及してもクレカがなくなるとは考えにくいので、やはり1枚くらいはクレカを持っておいて使い分けると良いでしょう。